定年後の生活費の軸となるのが年金。少子高齢化社会の影響でその制度そのものが危ぶまれている面もありますが、やはり頼りになるべき収入源となります。サラリーマンとして働き続けてきた人は給料から自動的に差し引かれているため、あまり意識せずに支払い、65歳になった支給を受けるケースも多いでしょう。しかし実際にはこの制度にはいくつかの種類があります。
わたしたちが一般的に年金といって連想するのは「公的年金」と呼ばれるものです。その名の通り、公的機関、具体的には国が社会保障の一環として行っているものです。このタイプもいくつかの種類に分けることができます。基本的には誰もが必ず支払うことになっています。
それから企業が行っているタイプ。企業が独自に従業員の定年退職後の生活の安定を図るために用意しているものです。サラリーマンとして定年まで勤め上げた人はこちらも受け取ることになります。企業が経営不振に陥り、経営再建を求められた時に定年退職者への支給額の減額が大きな問題になるケースもあります。
もうひとつが個人が自分の意思で加入するもの。加入の義務はありませんし、給料から自動的に差し引かれるといったこともなく、本人が必要だと判断した限りにおいて加入し、利用するものです。具体的には養老保険がこのタイプに含まれます。
こうした選択肢の中から、自分が老後にどの程度収入を得たいか、あるいは現役の間に支払うことができるかをよく検討したうえで選ぶことも必要になるのです。とくに自営業の人は入念な検討が求められるでしょう。